20XX年の革命家になるには──スペキュラティヴ・デザインの授業

内容紹介
もしあなたが未来の革命家だったら──

RCAでスペキュラティヴ・デザインを学んだアーティスト長谷川愛が、MITメディアラボと東大で教えた授業をもとに、SDGsや倫理問題をふまえて社会変革に挑むための思索トレーニングブックとしてまとめた一冊(巻末付録としてワークキット+切り離せる126枚のカードを収録)。

テクノロジーに塗り替えられながら複雑化する現代社会において、いま「ものごとの根本からクリティカルに問い直す力」があらゆる分野で求められています。自分は革命家ではない、とあなたは思うかもしれません。しかし自分が身を置く世界を、このまま迎えるであろう未来を、あなたは肯定しているでしょうか。個人がよりよい世界を思い描いたとき立ち現れる、「いまここにあるもの/常識とされていることへの、問い」のみが、自分の生きる世界を変えることができるのです。

本書は、そんな根本的な問いを探求するスペキュラティヴ・デザインを、誰もが長谷川愛の手法で実践できるようにした一冊です。「スペキュラティヴ・デザイン」とは、およそ10年前に生まれた、越境的かつ批判的なまなざしを持ち、問題解決ではなく問題提起に注力していくデザインの態度のことです。本書では、過去から現在に至るさまざまな革命=価値の転換や創造を読み解きながら、スペキュラティヴ・デザインが初めて実践されたRCAの伝説のコース、デザイン・インタラクションズでの授業を振り返り、未来をプロトタイプするフィクションの力を探ると共に、昨今抜け落ちていた倫理教育、さらにはアジアのスペキュラティヴな未来に迫ります。巻末には「20XX年の革命家ワークキット」として、個人やグループでのアイディエーションを助けるカードとワークシートを収録。

実世界を認識し批評的に見つめる洞察力、オルタナティブや可能性を思索する想像力、サイエンスやエンジニアリングによる開発力、社会につなげていく実装力、この4つの力を育てることで、まだここにない未来をいま提示する勇気をあなたに授けます。

【目次】
Chapter 1 夢想から始まる革命の道筋
1-1 革命とはなにか
1-2 私の場合─長谷川愛の社会実験

Chapter 2 アートに学ぶ革命の方法
2-1 身体や生命の常識を覆す
2-2 権力や資本主義に抗う
2-3 ジェンダーの呪いやタブーに挑む
2-4 テクノロジー社会の不正と戦う

Chapter 3 社会のためのスペキュラティヴ・デザイン
3-1 Text「より大きな現実へ」 by アンソニー・ダン
3-2 いかにしてスペキュラティヴ・デザインを学んだか
3-3 未来をプロトタイプするフィクションの力
3-4 ユートピア/ディストピアの描き方
3-5 テクノロジーとデザインにおける倫理問題

Chapter 4 アジアから考えるスペキュラティヴな未来
4-1 周辺諸国に学ぶスペキュラティヴ・デザイン
4-2 インドネシア|Text「未来、それはいま! 」by リアル・リザルディ
4-3 台湾|Text「アジアから探る、未来の想像力」by クァンイー・ク、ポール・ゴング
4-4 中国|Text「 土味社会夢―泥臭さから社会を夢見ること」by ビーン・シェン

Chapter 5 日本の実践者に聞く、社会を変えていく思考法
5-1 Dialogue 「フィクションは社会を変えうるか」藤井太洋 × 長谷川愛
5-2 Dialogue 「法から読み解く社会システム」稲谷龍彦 × 長谷川愛
5-3 Text 「スタートアップは未来の革命家となる」by 川原圭博

Chapter 6 20XX年の革命家ワークキット
6-1 20XX年の革命家カードを使ったアイディエーション
6-2 20XX年の革命家ワークシートを使ったリサーチとアウトプット

おわりに
Appendix 革命の手引き―推薦図書&作品リスト

付録: 20XX年の革命家カード
編集:塚田有那 
単行本: 192ページ
出版社: ビー・エヌ・エヌ新社 (2020/1/27)
言語: 日本語
ISBN-10: 480251171X
ISBN-13: 978-4802511711
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