ワークショップ映像 (2021)
協力:塚田有那、小澤いぶき、JST-RISTEX ELSIプログラム プロジェクト企画調査『技術死生学プロジェクト』
映像編集:坂本麻人(THE LIGHT SOURCE/Whole Universe)、撮影:田中和也

「供養絵額」とは死者を供養するために家族や友人が寺院に奉納した絵馬で、岩手県中央部にみられる
習俗で、江戸時代の弘化、嘉永年間(1844~1853)頃に発生し明治時代の最盛期を経て大正時代ごろま
でその奉納が行われていました。今まで体系だった研究がなされず名称についても判明していませんでしたが、
2001年遠野市立博物館の調査によりその形と性格から「供養絵額」と名付けられました。(出典:遠野市立
博物館発行「供養絵額」特別展図録より抜粋)これには死者(血縁関係の死者も一緒に描かれる)
の暮らしていた家で豊かで楽しげな生活をしている姿が華やかな色使いで描かれています。戒名、没年月
日、俗名、履歴、施主の名前(家族や友人たち)も一緒に書き込まれています。
 近い将来グリーフケアサービスとしてDeepFakeを使った実写動画としての供養絵額2・0を作るサー
ビスがあると仮定し、このサービスを作る前提での問題点や要望を当事者を交えて技術開発について講義
と実際にお互いの供養絵額を試作してみるというワークショップを交え議論をしています。
 SFドラマ「アップロード」は脳をアップロードして「デジタルの死後の世界」に住む男が主人公です。機械学習から、VR、そして脳アップロード、という技術を経て、私たちは死後の世界を想像し創造し、そこに住む未来に到来するのかもしれない。その時にどのような仕組み、例えばまだ死後の世界でも資本主義をつづけていくのか、など、どのような価値観を信奉するのかを改めて注意深く選ばなけなければ、私たちの死後の世界は恐ろしいものになるかもしれません。
 その一歩として、改めて供養絵額をヒントに、自分たちの死後の生活を考えてみました。
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